タイ・ビバレッジ社、サベコ社の過半数株式を取得

2017年12月21日

タイ・ビバレッジ社の子会社であるベトナム・ビバレッジ社が、サベコ社(Saigon Beer Alcohol & Beverage Corp)の株54%を48億ドルで取得した。
サベコ社は、ベトナムの国営企業で、サイゴン・ビール、333ビールのブランドを所有し、現在、民営化を目指している。
一方の、今回サベコ社の過半数株式を取得したベトナム・ビバレッジ社は、ベトナム投資会社により所有されている。その投資会社の49%がBeerCo社の名の下に所有されており、これがタイ・ビバレッジ社が100%所有する会社である。タイ・ビバレッジ社は、地元タイではChangビールでタイのビール市場を独占している。同社は最近では、グランド・ローヤル・ウイスキーの醸造会社であるミャンマー・ディスティラリー社を10億ドルで買収している。また、シンガポールの食品・飲料メーカー、フレイザー&ニーヴ社の所有者でもある。
今回のサベコ社競売は、タイ・ビバレッジ社以外の海外ビール・メーカーが参加することなく終わった。この競売では、過半数株式取得は、地元の企業に限られており、海外投資家による取得については最大49%との制限が設けられ、そのうちの10%が既に海外投資家により所有されていた。オランダのビール・メーカー、ハイネケン社が同社株5%を所有する。
サベコ社買収により、タイ・ビバレッジ社は、東アジア地域のビール市場での独占的シェア確保を目指す。ベトナム市場のビール売上は、昨年、約64億8,000万ドル。タイにおける高齢化、物品税引き上げで、国内での同社ビール売上増加を阻んでいると見て、海外市場にそのシェア拡大の可能性を見出す。

(DBR, Dec.20, 2017 / Today Singapore, Dec.18, 2017)

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