ハリケーンが飲料缶に与えた影響
2017年12月14日
今年9末までの第3四半期の業績は、8月中旬から9月にかけて立て続けに発生したハリケーンや暴風雨による、米国の中でも人口の最も多いテキサス州とフロリダ州での被害の影響を受け、米国の飲料缶製造会社にとり厳しいものとなった。
ハリケーンは、製缶工場においては、生産、出荷のみならず、材料や化学薬品などの受け入れなどにも影響を与えた。それゆえ、第3四半期の食缶も含めた缶全体の出荷量は、前半は好調であったものの、ハリケーン発生後の9月には激減し、結果として前年同期比2.3%減となった。
この期、飲料缶は全体で前年同期比1.8%減を示し、特にビール缶は同3.6%減と飲料の中で最も大きく落ち込んだ。これは、被害地域にビール醸造工場が多くあったことによるところが大きい。一方で、コカ・コーラ社は、この期、炭酸水を中心に出荷量が前年同期比3%増えたことを報告した。
飲料缶製造会社にとっての今後の展望としては、効率・利益をともに上げるための戦略に重点を置き、出荷量を取り戻すことにある。その戦略としては、様々なサイズに応えるスペシャルティ缶を、特定の清涼飲料やビールに限らず、人気のフレーバー・ウォーター等にも広げること、また、米国消費者の健康志向にアピールする細身のスリーク/スリム缶の、より多くの種類の飲料やスープなど食品への拡張等が挙げられる。
サステナビリティ、及び、消費者の嗜好を理由に、多くの製品が、より小さなサイズへと移行しているが、缶は、その場合にも、最もコスト効率の高い容器であると言われている。
(The Canmaker, Dec.12, 2017)