南米の飲料缶需要増が、米国ハリケーンによる損失を相殺、ボール社
2017年11月 7日
昨年6月の製缶会社レクサム社買収、それに続く米国、欧州及び南米における資産のアルダー社への売却を経て今四半期を迎えた製缶会社ボール社には、今年第3四半期の業績報告が、同社にとり、前年同期業績の同条件による比較が初めて可能となる報告内容となった。
この第3四半期で特筆されるべき、8月末から9月にかけて米国テキサス州及びフロリダ州に立て続けに大被害をもたらした2つの超大型ハリケーンは、ボール社の物流、及び工場操業に直接に影響を与え、同社の営業利益を削減することとなった。さらにそれに伴い、同社の主要顧客の充填工場操業の停止が長引いたため、この地域での飲料缶発注が止まり、計7日間分の生産損失、飲料缶売上減少を招くこととなった。その一例として、今年9月のテキサス州南東部での充填工場操業停止によるアルコール飲料カテゴリーの売上は前年同期比12%減少した。
一方、ボール社の世界全体の飲料缶販売数量は、第3四半期には、特に南米での需要増により、前年同期比2%増加した。
同時期の同社の飲料缶売上については、南米市場での伸びが著しく、前年同期比33.6%増を記録した。ブラジルに代表される南米市場では、従来の飲料容器である再利用ビンから缶への移行が続いている。
また、同時期、欧州市場でも、ボール社の売上は、前年同期比4.3%増加した。
結果として、第3四半期は、ボール社が最大シェアを占める米国市場でのビール売上減少に伴う飲料缶売上損失を、特に南米市場での好調な飲料缶売上が相殺するかたちとなった。
(The Canmaker, Nov.2, 2017)