新しいトレンド、低・ノンアルコールビール
2017年 8月 8日
近年、適量の飲酒を心がける人々が、特に25歳から44歳の消費者層で増えている。それに伴い、低ABV(アルコール度数)飲料カテゴリーが注目されている。ビールメーカーのアンハイザー・ブッシュ・インベヴ(以降、ABI) 社は、2025年までには、世界全体のビール販売量の5分の1を低アルコール/ノンアルコールビール(NABLAB)が占めるようになると予想する (弊社業界情報2017年5月30日付に関連記事)。
低アルコール度数については、ABI社では、3.5%ABV以下を低アルコールビールとする一方で、クラフトビール業界では、3.5%~4.5%とする傾向がある。
最近、ABI社が英国で実施した調査では、英国人の1/3弱がアルコールフリー・ビールを飲んだ経験があり、うち20歳以上の消費者の39%が低・ノンアルコールビールを好むと答えた一方で、その数字は、18~19歳の人々では48%とより高くなることが明らかになっている。
ビール醸造会社、パブ、小売店販売員が低・ノンアルコールビールを含めたビールスタイルの多様性及び度数を学び、それらの情報を消費者の好みに応じて提供することが、今後、潜在力ある低・ノンアルコールビール・カテゴリーの定着につながるとABI社は見ている。
ハイネケン社も、このトレンドを強く実感しているビールメーカーである。ハイネケン社が、欧州市場で年初に発売したブランド “0.0” が好調な売上を見せているからだ。今年に入り、欧州で2桁成長を記録する低・ノンアルコールビール・カテゴリーは、スペイン、オランダ、ポーランド、オーストリアで特に顕著な伸びが見られている。
ハイネケン0.0は、他の既存ブランドとシェアを奪い合うブランドではなく、むしろ、ランチで、スポーツのあとに、あるいはドライブの前に…などこれまでに想定されていなかった新たな飲む機会のための、低・ノンアルコールビールという新たなカテゴリーを開拓しているのだと、ハイネケン社はコメントしている。
(Beverage daily.com, Aug.1 & July 24, 2017)