世界で毎分百万本のプラスチックボトルが購入される現実

2017年 8月 1日

プラスチックは、ここ数十年の間に、現代のライフスタイルにはなくてはならないものとなった。プラスチックボトルの増加は、特にボトルドウォーターの需要に比例する。
これに関するごく最近の報告の中で特に注目すべき2つの統計結果がある。一つは、世界全体で、毎分、百万本のプラスチックボトルが購入されているということ。そしてもう一つは、使用されるプラスチック全てのうち91%が再資源化されていないということ。それにも関わらず、2020年までに5,000億本以上のプラスチックボトル販売が予想されている。
飲料用プラスチックボトルは一般的にPETを原料とする。PETは、完全に自然分解するまでに400年かかる一方で、再資源化も可能である。最も深刻な問題は、プラスチックボトルを含めたプラスチックの廃棄量が世界的に増える傾向にあり、その他の生態系に影響を与えることである。現時点では、消費済みプラスチックのほとんどが最終的にたどり着く場所が、ごみ廃棄場か海のいずれかである。
海は、2050年までに、重量で、魚よりもプラスチックを多く含有するようになると推定されている。これは、海洋生物により摂取されるものが大きな危機にさらされるだけではない。日常的に海産物を食す人々は、プラスチックの細かい破片をともに食べていると報告する調査結果もある。
その点、ごみ廃棄場は、移動することなく、人間の手の届くところにあるため、適切に管理さえすれば、地下水汚染にも深刻な影響を与えずに対処することが可能である。中国では、再資源化のためにプラスチックボトル収集を組織的に実施する労働者の存在があるため、ごみ廃棄場にプラスチックボトルはないとも言われる。その動機は、しかしながら、環境を考慮してではなく、PETボトルと引き換えに現金が得られると言う経済的な理由からである。
確かなことは、世界全体で、プラスチック廃棄が環境に及ぼす問題に取り組む必要があるということである。

(Forbes, July 26, 2017)

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