米国クラフトビール醸造会社業界 vs. アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社
2017年 7月 6日
この火曜日の米国独立記念日を前に、米国のクラフトビール醸造会社を代表する非営利団体、ブリューワーズ協会(BA)が、クラフトビール醸造会社であると認定される定義の一つ、独立した会社であること、つまり、他の会社の傘下にないこと(他社の所有が25%以下であること)を証明し、強調することを目的とする新しいシールを発行することを発表した。クラフトビールを醸造する会社であることを正式に認められた、米国にある5,300社を超えるクラフトメーカーは無料でこのシールを得ることができ、シールを容器等に貼付することができる。すでに800社以上がシール取得を希望している。
このニュースを受けたアンハイザー・ブッシュ・インベヴ(ABI)社は、翌日、米国ビール業界内を混乱させるだけだとブリューワーズ協会を批判する内容の動画をネット上に公開した。その動画には、2011年よりすでにクラフトビール・メーカー10社を買収しているABI社の傘下にある“クラフトビール”部門に属す“クラフトビール醸造会社”5社の代表者が参加しており、今、クラフトかそうでないかが重要なのではなく、それ以上に大きな課題、つまり、毎年徐々にシェアを奪っているワイン及び蒸留酒業界に対して、ビール業界は一丸となって戦うことに専念すべきだとのコメントを出した。
一方、昨年、米国司法省は、ABI社によるクラフトビール醸造会社の立て続けの買収について、大手がビール販売網を独占する限り、中小醸造会社が成長することは不可能だとして、ABI社の動向を監視する旨の警告を出している。
(just-drinks.com, July 3, 2017)