ビールの定義に挑むノンアルコール・ビール
2017年 5月30日
ノンアルコール・ビール及び低アルコール・ビールのセクター(総称NABLAB)が、低迷するビール全般の出荷量をよそに、売上を伸ばしている。
ほとんどの消費者にとっては、ビールは、仕事の後、あるいは、夜バーで、あるいは家庭で味わうアルコール飲料であると一般的に見なされる一方、NABLABは、新たな消費者、そして新たな飲む機会を開拓する可能性を秘めていると業界専門家は見ている。
人々がアルコール飲料を消費する仕方に変化が見られるのは確かである。今日の主要消費者グループであるベビーブーマーとミレニアル世代はともに、高いアルコール含有量(ABV)の飲料に昔ほど関心を持っていない。特にミレニアル世代は、量よりも質を、そして、クラフトやプレミアム製品をより重視していると言われる。また、消費者全体で健康志向が顕著である。ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、中国など今後さらに重要視される市場には、アルコール飲料を嫌う人口は多いと言われる。
現時点で、通常のビール出荷量は低迷しおり、その成長率は2010年から2015年にかけて0.7%である。それに対し、ノンアルコール飲料の場合には、同時期3.3%上昇している。アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社は、NABLABが、2025年までに、世界全体のビール出荷量の20%を占めるようになると予想している。
飲料カテゴリーそのものの境界線がぼやけ、また、クラフト飲料に消費者が反応するこの時代、消費者が新製品やアイデアを探求するのはごく自然なことである。つまり、ビールの現状に挑むのにも完璧なタイミングと言える。
(Beverage daily.com, May 16, 2017)