夏のビール缶に新たな機能

2017年 5月 9日

世界第3位規模のビールメーカー、モルソンクァーズ社は、製缶会社クラウン・ホールディングズ社(米国)の協力を得て、今月から夏季限定の特殊缶を使用するビールをカナダ市場向けに販売開始する。
クァーズ・ライト12oz缶及び16oz缶のラベルに、既に同ブランドではすっかり馴染みになった、飲み頃になると缶に描かれた山を白色から青色に変化させる サーモクロミック・インキの利用に加えて、今回新たに、フォトクロミック・インキを使用する。これら2種のインキが同時に使用されるのは初めてのことである。
サーモクロミック・インキが、ビールの飲み頃の温度にまで冷えると色が変化するのに対し、フォトクロミック・インキは、紫外線に対して反応する。興味深いのは、ビール缶の温度が低くなればなるほど、このフォトクロミック・インキの色はより鮮明になる。
この缶印刷にあたり、デコレーター自体に変更を加えられる必要はなく、缶乾燥も通常の方法・時間で行われる。いずれのインキも、米国コロラド州コロラド・スプリングスのCTI社により供給される。
米国ミシシッピー・ベイツヴィルにあるクラウン社工場が、この印刷技術を活用することで、顧客である飲料メーカーに、温度と光をともに利用した缶デザインの提供を可能にした。
この缶の市場となるカナダに住む人々は、短い夏の間、そうでない時期の4倍の量のビールを消費するという。太陽の下、カナダ人とともに、この缶の出番も増えそうだ。

(The Canmaker, May 8, 2017)

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