欧州飲料缶製造業界、劇的な変化を経て
2017年 4月 4日
欧州の飲料缶製造業界の、ここ2年にわたって見られた変化は、主に次の3点があると言われる:
① ボール社によるレクサム社の買収
ボール社は、昨年のレクサム社買収により多くの資産をアルダー・グループに売却したが、レクサム社の主な顧客であったコカ・コーラ社とレッドブル社を獲得し、両社向けに引き続き飲料缶を供給する。
② メジャーな製缶会社の傘下にない製缶会社の増加
欧州市場で1/6のシェアを持つキャンパック社(ポーランド)に加え、他社の傘下にない独立製缶会社を代表する三社、Bagpak Polska社(ポーランド)、Helvetia パッケージング社/TCBベヴァレジズ社(ドイツ)、及びヘル・エナジー社もまた、高い需要に応える態勢に入っている。
③ スチール缶からアルミ缶製造へのライン変更の増加
ライン数そのものは2015年以来変化のないものの、スチール缶からアルミ缶製造へのライン変更が顕著で、アルミ缶製造ライン数は2年前の88から96ラインに増えており、その数は、今後も増える見込みである。
90年代半ば以降、飲料缶においてアルミ缶しか製造しなくなった米国に、欧州も続くと見られている。
欧州市場の飲料缶需要は上昇しており、2016年の飲料缶出荷量は、前年比およそ2%増の650億缶と推定されている。
現時点で、欧州で飲料缶製造ライン110ラインが稼働しており、その生産能力は推定で850億缶である。
(The Canmaker, Apr.3, 2017)