米国で 抹茶 が人気上昇中
2016年10月 4日
コーヒー飲料と並んで、ティーの消費量が米国で上昇している。そして、日本の“抹茶”が“matcha”として新しいトレンドになりつつある。米国での今年のティー飲料売上は、前年比10%増になる見込みだが、これは、ティー・カテゴリーの中でも特に“matcha”を含む緑茶の好調な売上によるところが大きいという。
米国人は、2014年には、2000年と比較し、約40%多く緑茶を飲んだと、市場調査会社ユーロモニター社は報告している。最近、多くのメディアがmatcha=健康 として大々的に特集を組んだこともあり、matchaは今や、ニッチ飲料から主流トレンドとなっている。
米国でmatchaは、飲料というよりもむしろ材料のひとつと見られてきたが、RTDティー製品メーカーは、最近のmatcha人気に応え始めている。コーヒー・チェーン、スターバックス社所有のティーバナ社店舗では、オーガニックmatchaの昨年の売上が2桁の増加を見せた。ニューヨーク・シティでは、matcha専門のカフェも複数見られる。また、抹茶粉末をスムージーやアーモンドミルクにブレンドした製品も出ている。また、シンプルなmatcha味に加え、パンプキン・パイ&ブルーベリー、あるいは、チャイ・スパイスなどのフレーバーとブレンドさせ甘さを加えたmatchaティー製品も登場している。伊藤園社は、最近、米国市場向けにmatchaとココナッツウォーターをブレンドしたボトル飲料 Matcha Colada を発表したばかりだ。
米国のmatchaは、その味ではなく、“健康”に直結するティーという側面でのみ売上を伸ばしているという点が重要である。味へのこだわりがないため、メーカー側が他の人気のあるフレーバーとブレンドしやすいこともmatchaの魅力といえる。
日本の官民ファンド、クールジャパン機構による米国での長崎県発“日本茶カフェ”事業(10年間で50店舗)への出資も、このトレンドを後押ししそうだ。
(NIKKEI AsianReview, Sept. 29, 2016)