クラフトビールがもたらす経済効果が、米国の酒類販売規制を変えるか

2016年 9月27日

米国でクラフトビールは、今や、全ビール売上の20%以上を占める存在である。その数字が25%以上であるコロラド州のクラフトビール・ビジネスは、昨年、同州に、およそ17億ドルの経済効果をもたらしたとの報告もある。全米が注目するコロラド州のクラフトビール・ブームは、しかしながら、同州が施行する厳しい酒類販売規制 - その多くは80年以上前の禁酒法にまで遡る - により多少なりとも阻まれていると言う。例えば、コロラド州は、スーパー及びコンビニに対してはアルコール度数3.2% (abv)以下のビールしか販売を認可しない米国5州のうちの一州である(他の4州は、カンザス、ミネソタ、ユタ、及びオクラホマ州)。つまり、通常それよりもアルコール度数が高い製品を醸造するクラフトビール・メーカーは、現時点で、その大部分を販売することを許されていない。(州が認可する各チェーン店につき一店舗、及び酒類販売専門店のみが販売する)
しかし、新しい動きも見え始めている。最も規制の厳しい酒類販売法を施行していたペンシルバニア州が、最近、禁酒法以来初めて、州管理下の小売店以外でのワイン及びビールの販売を認可した。ニューヨーク州では、今月、80年間一度も変更されなかった酒類販売に関する法律を、今の時代に合う法に変えることを発表した。世界的なバーボン・ブームで新しい蒸留酒醸造所の建設に沸くケンタッキー州では、この7月、観光客が購入するウィスキー量の規制を緩める新法を施行した。
一方で、ミシガン州では、酒類に対し244%増税を進める動きがあると報告されている。
一部の州での酒類販売規制の緩和は、米国全体に及ぶのかどうか。少なくとも、規制見直しを始める州は、今後増えそうだ。

(just-drinks.com, Sept. 19, 2016 / PolitiFact Colorado, April 1, 2016)

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