タイのビール市場とカールスバーグ社

2016年 7月28日

ユーロモニター社の市場調査によると、タイのビール売上は、借金やローン返済を抱えるタイ人世帯の増加により、今後落ち込むと見られている。しかしながら、この予測は一時的と見るデンマークのビールメーカー、カールスバーグ社は、タイを重要な市場と位置付け、特にドラフトビール及びスーパープリミアム・ビールの長期的投資を続けている。
現在、タイのビール市場では、タイの醸造会社が販売するSinghaが72%のシェアを持ち、そのあとをタイのアルコール飲料メーカー、タイ・ビバレッジがシェア24%で続いている。世界規模第三位のハイネケン社(オランダ)のシェアはこの国ではわずか4%である。
国内のビール・メーカーを守る態勢にあるタイは、海外ビール・メーカーにとり参入が容易な市場ではない。しかしながら、海外ビール・メーカーにも、タイ市場で販売するための方法はある。Singhaビールは、2013年より、カールスバーグ社ロシア工場で醸造されている。また、昨今、タイのクラブ等で人気のBeerLaoを醸造するラオスのビールメーカー、Laoブリューワリー社は、カールスバーグ社が50%所有する企業である。つまり、カールスバーグ社はすでにタイ市場で足場を築いている。それは、ラオス、カンボジア(Angkor Beer)及びベトナム(Huda)においても同様である。同社は最近ミャンマー市場にも参入した。
現在世界第五位のカールスバーグ社は、中国へビールの輸出を開始した1876年に、初めてアジア市場に参入した。

(ScandAsia.com, July 21, 2016)

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