アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社のSABミラー社買収、EUからの回答は明日
2016年 5月24日
ビール・メーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(以降、ABインベヴ)社は、同じくビール・メーカーのSABミラー社の1,000億ドル以上をかけた買収について、条件付きでEU(欧州連合)の承認を得られることになりそうだ。
ベルギーを本拠地とする、バドワイザー、コロナ、ステラ・アルトワのメーカー、ABインベヴ社は、現在米国で低迷する売上を相殺するであろうアフリカ、中南米市場での売上増加に大きな期待をかける。
既に世界最大の地位にあったABインベヴ社は、ペローニ、グロールシュ、ミーンタイムといったSABミラー社の持つビール・ブランドのアサヒグループホールディングズ社への売却に同意することで、EUの市場独占に関わる懸念を和らげ、買収実現に近づくこととなった。さらに先月には、同社は、SABミラー社がチェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキアに持つ事業も売却する計画であることを発表した。それに加え、SABミラー社の持つ米国でのビールのジョイント・ベンチャー事業ミラークァーズ社株をモルソン・クァーズ社へ、また、やはり同社の持つ中国でのビール・ベンチャー事業CRスノー社株をチャイナ・リソーシーズ・ビール社へそれぞれ売却することも明らかにしている。
企業買収では世界最大規模のこの取引の結果、ABインベヴ社は、世界ビール市場の1/3を得ることになる。
オーストラリアならびに南アフリカ各当局はこの買収を既に承認した。EUの最終的な判断は、5月24日に下される。
(Reuters, May 20, 2016)