コカ・コーラ缶、デザイン変更

2016年 4月28日

最近特に人気が衰えつつあると言われるコカ・コーラ社ダイエット・コークのファンは、次回スーパーに行ったとき、その象徴的なシルバーの缶をよく眺めておいた方がいいかもしれない。なぜならば、そのシルバーの缶はまもなくなくなる可能性があるからだ。
コカ・コーラ社は、ダイエット・コーク、ゼロ、ならびにステビアを甘味料に使用するライフの缶を、コーク・オリジナルの象徴色である赤を多く使用するデザイン("Red Disc")に変更することを発表した(弊社業界情報2015年3月10日付に関連記事)。各々のブランド色は多少なりともデザインに残されるものの、あくまでも強調されるのは赤の色である。
これもまた、米国における炭酸飲料売上低迷を打破する戦略のひとつに他ならない。昨年、ニューヨーク・タイムズ紙は、コカ・コーラに代表される高糖度炭酸飲料売上が25%以上落ち込んだことについて、過去10年の間に生じた米国食習慣の最大の変化と描写した。この傾向は依然として変わらない。ダイエット・コークは、2015年第1四半期に、前年比6%の売上減少を報告した。消費者は、特に人口甘味料への否定的な見方を強めている。オリジナル・コークが一方で1%売上を伸ばしているのは興味深い。
このブランド再確立の試みは、「見た目にひとつのアイデンティティ」であることを強調する目的とコカ・コーラ社は説明しているが、そのため、皮肉にも、全てのコーク缶が伝統的な高糖度コーク缶に見えなくもない。
「容器は、最も効果が鮮明に出る、価値ある資産だ」と同社はコメントする通り、過去、容器のデザイン変更が結果を出した経験が同社にはある。人の名前を容器上にランダムに印刷した「Share a Coke」キャンペーン(弊社業界情報2013年4月30日付に関連記事)の一環では、2015年、20ozボトルの売上が一時期19%上昇したと報告された。
新デザインの缶は、まずメキシコで5月第1週目に発売され、その後2016年、2017年をかけて世界中で販売開始される予定。

(The Washington Post, Apr.20, 2016)

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