2016年の飲料容器トレンドとは

2016年 2月 9日

飽和状態の米国飲料業界で、常に好みが変化する消費者に向けて、いかに目を惹く製品を作るかが飲料メーカーの関心事の一つである。資金豊かなメジャー飲料メーカーは容器・パッケージング開発に着手し、小さめのサイズの容器、マルチパック、場面毎に異なる容器タイプなどを提供してきており、これらは引き続き今年の業界トレンドとなるであろう。
現在勢いを増している容器開発のひとつが、ミニ缶(7.5オンス)・ミニボトル(8オンス)である。コカ・コーラ社、ペプシコ社いずれもがこの容器を使用する飲料で売上を伸ばしている。
このようなミニサイズ開発は、容器変更に柔軟に対応できる余力のあるメジャーなメーカーに共通の戦略である。小規模メーカーには採用しにくい戦略だ。
メジャー・ビールメーカーの容器・パッケージング開発戦略の二つ目としては、様々なサイズのマルチパック内製品数に変化を加える試みである。これは、スーパー、ドラッグストア、コンビニなど各小売店により提供される異なる形状の棚スペースのタイプや利用頻度に関連して、彼らの包装を各々対応させる傾向である。
市場で見られるようになってきた三つ目のパッケージングとしては、サンプラー・パックが挙げられる。この包装タイプは特にビール・カテゴリーの中でもクラフトビール・メーカーに多く見られるタイプである。クラフトビール・メーカーは、豊富な種類を取り揃える傾向にあり、それらをまとめて一つのマルチパックに詰めることにより消費者に新しいフレーバーを試してもらいたいと考える。ハイザー・ブッシュ・インベヴ社やミラークァーズ社では試みない開発であろう。
クラフトビール・メーカーがこのように多くのフレーバー・ビールを提供する一方で、メジャービール・メーカーは、様々なタイプの容器を紹介する傾向にある。ボトルや缶のサイズも広範囲に渡り、また、ボトルだけでもネックが長いものもあれば短いものもある。日常生活の場面毎に飲料容器を使い分ける消費者を想定しての戦略である。
視覚的にアピールする飲料、天然成分100%飲料を提供するメーカーは、透明なボトルを選ぶ傾向にある。透明な容器は、鮮度の高い飲料だとの印象を与えるという消費者アンケートの結果もあるという。透明なボトルの場合、しかし、光による飲料劣化の可能性を考慮する必要がある。
そして、昨今、どんな容器・パッケージングであれ、リサイクル性を欠いてはならない。容器・パッケージングのエコ性は、消費者の購入決定に影響を与えていると消費者調査結果は伝えている。

(FoodDIVE, Feb.8, 2016)

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