スーパーボウル舞台に、ビール vs.ワイン

2016年 2月 2日

米国では、ビールとアメリカン・フットボールは、ワインとチーズのようにしっくりとくるペアである。しかし最近、バドライトよりもボルドーを好む人々が増えている。ワインが、米国のフットボール・スタジアムに、そして週末のお茶の間に、徐々に、そして確実に浸透してきている。
米国人は、いまでも全般的に、ワインよりもビールを消費していることには変わりはなく、米国の国家的イベント、スーパーボウルのテレビ中継で流されるビールのコマーシャルがなくなることはまずないであろう。しかし、米国でのワインの売上はビールよりも速い速度で、特に今のスーパーボウル開催の時期に、確実に増える傾向にある。これは、この最大のスポーツ・イベントを観戦する若い世代そして女性の好みの変化を反映していると言える。
そして今年のこの時期、ワインはこれまでになく脚光を浴びることになりそうだ。なぜならば今年のスーパーボウルは、米国で最も規模が大きい、そして著名なワイン醸造の地である、カルフォルニア州サンタ・クララで開催されるからだ。
米国では、全国的に見ても、スーパーボウル開催直前の1週間には、スーパーボウル開催3週間前と比較し約4,000万ドル多く、消費者はビールに費やすと、調査会社ニールセン社は報告している。ワインならびに蒸留酒の場合には、それは2,000万ドル増となる。
通年で見ると、米国小売店で消費者が購入するアルコール飲料の内訳は、ビール48%、蒸留酒37%、そしてワインは15%となる。ここ10年の間に、ビールの割合は5%ポイント弱減少した。ワインが安定して需要を伸ばしているという事実は把握しにくい、というのも大規模なビール・メーカーと異なり、全国的に宣伝をするワイン生産者は皆無に等しく、市場も分散し、世界中の何千ものブランドが存在するからである。
アメリカン・フットボールのレギュラー・シーズンの間は、ファンは圧倒的に多くビールを飲むが、プレイオフが始まると、女性の視聴者が増えるため、ワイン消費もまた増えるという。

(The New York Times, Jan.31, 2016)

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