米国飲料業界の新しいリーダー、ボトルドウォーター

2016年 1月 5日

米国の炭酸ソフトドリンク・メーカーは、今、ボトルドウォーターに賭けている。今やコカ・コーラ社やペプシコ社でさえも、低カロリー、栄養価の高い飲料をラインナップに加えることに注力している。ということは、2016年には、長年、高糖度飲料中心であった業界には似つかわしくないボトルドウォーターが、業界トップの飲料になる可能性が高いということである。
ウォーターは、既に現在、ノンアルコール飲料市場において最も人気の高い飲料である。ネスレ―社のポーランド・スプリング、コカ・コーラ社のダサーニ、ペプシコ社のアクアフィナなどのメジャー・ブランドの販売量は2014年には前年の7%増から9%増に上昇した。他方、コークやペプシの販売量はいずれも同年に前年比約3%減少している。
コカ・コーラ社ならびにペプシコ社は、近年両社に付いてまわるようになった高糖度炭酸飲料から来る負のイメージを、”ヘルシー”飲料の代表格である"ウォーター"で払拭することを望んでいる。
ところでボトルドウォーターは、水道水の何倍もの価格で販売されているにも関わらず、メーカーにもたらす利益は大変低いと言われている。そこで、メジャー飲料メーカーは、単なるボトルドウォーターに投資するだけではなく、”スパークリング”や”フレーバー”などの価値を付加した新製品の開発に余念がない。
2014年の米国ボトルドウォーター全体の売上は130億ドルにのぼったが、その中でコカ・コーラ社ならびにペプシコ社両社が占めるシェアはわずか13%。ネスレー社(ペリエならびにサンペレグリノを含む15種のウォーター・ブランドを有す)が依然、圧倒的なシェアを誇っている。

(Business Insider, Jan.1 2016)

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