ボール社、欧州の11工場を売却準備
2015年12月 1日
製缶会社レクサム社(英国)への約67億ドルをかけての買収提示の正式認可を求め、製缶会社ボール社(米国コロラド州)は、同社が欧州に所有する製缶工場のうち11工場を売却する準備を進めている。
ボール社とレクサム社を合わせた欧州市場シェアは69%であるが、今回売却を予定する11工場は、その約1/3にあたる。
ボール社が売る意思を示している言われる欧州11工場には、ドイツにある4工場、英国の3工場、スペイン、フランス、オランダそしてオーストリアでの各1工場が含まれ、うち2工場は、製蓋工場である。これらを合わせた資産額は15億8,000万ドルと言われる。ボール社はスペインに所有する工場を持っておらず、ここで対象となっている工場はレクサム社所有のものと見られる。また、オーストリアの工場もレクサム社の工場である。
ボール社傘下のボール・パッケージング・ヨーロッパ社は、現在、欧州に10製缶工場・3製蓋工場を操業する。一方のレクサム社は、先週開業したばかりのスイスの工場を含め20製缶工場ならびに4製蓋工場を有する。両社は、投資銀行ゴールドマン・サックス社を通じ、買手を探す過程にあり、同じく製缶会社のクラウン・ホールディングズ社(米国)あるいはキャン・パック社(ポーランド)が関心を示す可能性は高いと言われる。
ボール社はまた、米国の資産売却要求にも直面している。米国市場における、同社のレクサム社と合わせたシェアは60%となる。また、ブラジル市場では両社のシェアは74%に上る。
(The Canmaker, Nov.26, 2015)