米国で20年ぶり、飲料缶製造工場建設計画
2015年11月 5日
製缶会社クラウン・ホールディングズ社(米国フィラデルフィア州)の計画が予定通り実現すれば、米国に20年以上ぶりに新しい飲料缶製造工場が建設されることになる。クラウン・ホールディングズ社は、フィラデルフィア州のすぐ北に位置するニューヨーク州タイオガ郡(人口5万人強)に、製造施設135,000平方フィートならびにオフィス・倉庫15万平方フィートから成る、予算1億3,200万ドルに及ぶ工場建設を計画する。
この工場建設予定地である米国北東部は、顧客であるメジャー飲料メーカー、コット社、Dr.ペッパー社、モルソンクァーズ社、ペプシコ社に距離的に近く、輸送費を含め、より良いサービス提供が可能となる。
クラウン・ホールディングズ社のこの計画は、競合相手ボール社がレクサム社の買収案を発表したのちに明らかにされた。買収が実現した場合には、ボール社は、年間930億缶の生産能力を持ち、北米市場で60%(クラウン社は21%、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社所有の製缶会社メタル・コンテイナー社15%)のシェアを占めることになる。
メタル・コンテイナー社がカルフォルニア州ミラローマに製缶工場を建設して以来20年の間に、飲料缶生産技術が進化したこともあり、米国の飲料缶製造工場の数は45工場まで減った。
現在米国市場では、缶サイズ8.4oz (250ml) から24oz (710ml)までに広がる特殊缶の需要が高まっている。
クラウン・ホールディングズ社が米国北東部に持つ製缶工場は、現時点では、マサチューセッツ州ローレンスにある一工場のみである。一方のボール社は、北東部には、ニューヨーク州ウォールキルならびにサラトガ・スプリングスに工場を持ち、また、レクサム社とともに運営する工場をオハイオ州に持つ。
クラウン・ホールディングズ社は、メキシコとトルコにも製缶工場建設を計画中である。
(The Canmaker, Nov.4, 2015)