ABインベヴ社のSABミラー社買収、コカ・コーラ社の戦略に影響
2015年10月27日
ビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ(ABインベヴ)社によるSABミラー社の買収提示は、飲料メーカー、コカ・コーラ社にも大きな決断を迫るものとなりそうだ。
SABミラー社は、アフリカ市場におけるコカ・コーラ社の主要ボトラーである一方、ABインベヴ社は、ペプシコ社の中南米市場における主要ボトラーであるからだ。
コカ・コーラ社は、これまでアフリカ市場でのボトラー開拓に投資を続けてきた。昨年11月、同社は、SABミラー社とGFI社(Gutsche Family Investments)を統合し、アフリカ12か国を網羅し、アフリカ大陸で消費されるコカ・コーラ・ブランド40%を担うジョイント・ベンチャー設立にこぎ着けた。一方のABインベヴ社は、ブラジル、アルゼンチン、ボリヴィア、ウルグアイ、ペルーそしてドミニカでペプシコ社製品を充填する。そのため、ABインベヴ社によるSABミラー社の買収が実現すると、コカ・コーラ社は、ペプシコ社と関係のあるABインベヴ社傘下のSABミラー社を避け、SABミラー社がアフリカ市場に持つ充填施設を売却するのではと言われている。さらには、コカ・コーラ社が、3,4年後を目処にABインベヴ社に買収されるともうわさされる。
SABミラー社は、アフリカ大陸のみらならず、エル・サルバドルならびにホンジュラスにおけるコカ・コーラ社ボトラーでもある。SABミラー社は、世界全体のコカ・コーラ社製品の約3%のボトリングを担う。また、SABミラー社は、パナマにおけるペプシ製品のボトラーでもある。
(The Wall Street Journal, Oct., 14, 2015)