ロシアのビールメーカー団体、PETボトル規制に終止符を

2015年 8月25日

ハイネケン社やカールスバーグ社を含むビール・メーカーを代表するロシア・ビールメーカー団体は、所属するビール・メーカーが来年7月1日より、ロシアで販売する1.5リットル・サイズPETボトルのビール・ブランド生産を自主的に中止する予定であることを発表した。この生産中止で影響を受けるロシアのビール市場シェアは24%になると見られている。これは、2014年1月から実施されている、アルコール度数6%以上のビールに使用する2.5リットルと2リットル・サイズPETボトル生産の自主規制に続くものである(弊社業界情報2013年10月8日付に関連記事)。このようなビール・メーカー団体の動きは、消費者を不法なアルコール飲料に走らせる原因となると警戒する向きもあった。これに対しビール・メーカー団体は、このPETボトル・サイズ制限は、近年のロシア政府によるアルコール飲料消費量を下げる数々の試みを中和するものだとコメントしている。
ロシア政府は、過去2年の間にビールへの増税を実施すると同時に、強い度数のアルコール飲料の宣伝ならびに小売販売を制限している。そのようなロシア政府の様々な規制こそがむしろ、安価でアルコール度数の高い不法アルコール飲料に向かう消費者を増やすと、ビール・メーカー団体は懸念する。実際、ビール消費量は減少しており、ロシアで事業を営むビール・メーカーは対応に苦慮している。今年初頭には、カールスバーグ社が同社所有の醸造工場を2工場閉場した。
ビールのPETボトルはロシアでは一般的であり、多くのメーカーが採用している。
PETボトル規制よりもむしろ、ロシア国内に蔓延するアルコール依存問題の本質を直視し、解決に導く努力を、ロシア政府とともに取り組むことを期待したいと、ビール・メーカー団体は述べている

(just-drinks.com, Aug. 20, 2015)

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