シングルサーブ・ポッドでコーヒー消費量が低下
2015年 6月25日
米国消費者は、これまでになくコーヒーにお金をかけている。しかし、来る2015/2016年期(10月~翌年9月)のコーヒー豆消費量が、2009/2010年期以来初めて、前年期の2,400万60kgバッグから2,370万バッグに落ち込むと予想されている。しかも消費量減少が見込まれるのは、世界コーヒー消費量上位8ヵ国のうち米国だけで、世界的にはむしろ上昇傾向にある。
米国コーヒー豆消費量下降の最大の理由は、キューリク・グリーンマウンテン社に代表されるシングルサーブ"革命"が、世界最大のコーヒー消費国のコーヒーを飲む習慣を大きく変えてしまったからだと言える。炒って挽くという伝統的な方法からシングルサーブ・ポッド利用に移行した米国人は、飲みたい量だけを作れる点で、シングルサーブ・ポッドを評価した。シングルサーブ・ポッドは、消費量の効率を上げ、消費者各人が必要とするコーヒーの量を限定し、その結果、米国人のコーヒー豆/粉購入の機会を減らすことになったと見られる(弊社業界情報2014年3月27日に関連記事)。
シングルサーブ・コーヒーマシーンの所有者の数は今や米国全世帯数の4分の1以上にのぼり、昨年の15%から増加している。一方、このようなシングルサーブ・マシーンの人気は米国特有で、この域に達している国は他にはない。
上記のシングルサーブの影響に加え、米国コーヒー消費量減少のもう一つの原因は、米国人口高齢化に伴う一人当たりの1日コーヒー摂取量低下(1日平均1.85カップで2010年以来過去最低)にあるとも言われる
(Reuters, June 22, 2015)