ファイバー・ボトル
2015年 5月 7日
ビールメーカー、カールスバーグ社(デンマーク)によるカールスバーグ財団が、今年1月ダボス世界経済フォーラムにて、3年以内に商品化を目指す繊維由来の飲料ボトルの試作品を発表したところ、大きな反響があった。
このボトルは、カールスバーグ社内における企業社会責任(CSR)プロジェクトの一環で、ecoXpac社(デンマーク)により開発された、型にはめられたファイバーから、エネルギー効率の高い方法でボトルを製造する技術だ。一般的なプラスチック容器と比較し、このファイバー・ボトルは、胴厚は厚いが、全体の重量はより軽量である。開発段階で最も時間がかけられた点は、成型後、速く、エネルギー効率良く、ファイバー内の水分を最大80%除去する点である。現時点ではそれはバキュームで実施されている。キャップ部分のスレッドならびにシールもファイバーで作られる予定で、この点が最も困難が予想される。どんな形状でも数日以内という短時間で製造可能となる特長は、スポーツ・イベントやコンサート向けの限定デザインが実現容易となる点で興味深い。現在試作品に使用されているファイバーは木質繊維であるが、他のファイバーも今後検討される。新しいボトルの形状は、現在使用されているボトルと似ているため、物流上で大きな変更が求められることはないと見られる。このボトルが不透明で、中身が見えないという点が問題になるかどうかは、カールスバーグ社が今後集中的に取り組む、このボトルのための市場ならびに製品にかかってくるであろう。
(Packaging World, May 4, 2015)