米国で人気高まるシングルサーブ・コーヒー・メーカーが取り組むべき課題

2015年 4月 7日

米国ではここ数年、シングルサーブ(一杯分)に特化したコーヒー・メーカーの業績が好調である。その中でも最も知名度の高いのは、キューリグ・グリーン・マウンテン社によるシングルサーブ K-Cup。同社の昨年の収入は47億ドルに達した。K-Cupポッドの売上も、前年比22%増を記録した。今秋に発売されるシングルサーブ炭酸ソフトドリンク版 K-Cup Koldを控え、さらには株主でもあるコカ・コーラ社、そしてダンキン・ドーナツ社とも提携した同社の勢いはしばらく弱まることはなさそうだ。そして、シングルサーブ・コーヒー・マシーンとカプセルの売上では依然業界を率いる世界最大のコーヒー(そして食品)メーカー、ネスレー社。コーヒー小売店スターバックス社もまた、Verismoを開発、シングルサーブ・コーヒー・マシーン市場に参入した。
このようなシングルサーブ・コーヒーの売上増で懸念され始めた問題がある。シングルサーブが今後もたらす環境への影響だ。例えば、キューリグ社のK-Cupと呼ばれるポッドは異なる数種のプラスチックから作られているため、リサイクル不可能であり、また生物分解性でもない。米国全家庭のおよそ1/3弱がこの種のポッドをベースとするコーヒー・マシーンを使用していると言われる現在、ごみ廃棄場に積み上げられるポッドの数は計り知れない。
一方、シングルサーブ・ポッド/マシーンの支持者は、その長所を次のように説明する。つまり、シングルサーブであるために、しばらくの間温めた状態を常とする従来のポットと比較し、電力を節約する。また、シングルサーブ・ポッドを利用することで、コーヒー豆から可能な限りコーヒーが抽出されるように、挽きコーヒーそのものがより効率的に消費される。
キューリグ社は同社ウェブサイトで、2020年までにK-Cup全てをリサイクル可能にすることを約束した。シングルサーブ・ポッドを使用する他のメーカーもまた似たような対策を講じ始めた。
シングルサーブ・コーヒー・ポッドは、米国飲料・食品業界に大きな影響を与えており、この機会を利用しようとする大企業をも惹き付けている。この人気を持続させるために、シングルサーブ・ポッド・メーカーがこれから将来に向けて取り組むべきことは、環境への負担、そして消費者へのコスト負担をどのように軽減するか、であろう。

(FoodDIVE, Mar. 27, 2015)

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