地ビールのグロウラー・リフィル販売、米国ガソリンスタンドで増加
2015年 3月24日
最近、米国では、ビール・サーバーを設けるコンビニ併設ガソリンスタンドが増えている。
64オンス(約1.8リットル)サイズの量り売りビール専用のビン「グロウラー(growler)」を、タップ・ビールで'満タン'にするガソリンスタンドやスーパーが今増えている。現在、米国約35の州が、小売店で、このようなリフィル可能なグロウラーの名で知られるハーフガロンのグラス・ジャグ販売を許可している。
客は、空のグロウラーを持ち込むか、無ければ4ドルほどでグロウラーを購入し、グロウラーへのビール充填そしてその後のグロウラー密閉のトレーニングを受けた店員に、テイクアウト用に地ビールをリフィルしてもらう。
グロウラー販売をいち早く店に取り入れたのは、米国石油化学製品メーカーでありガソリンスタンドやコンビニを所有するSunoco社だ。2011年、ニューヨーク州バッファローで「クラフトビール・エクスチェンジ」ガソリンスタンド第1号店を開店。現在では、サウス・キャロライナ州にも及び、計65のコンビニ店にビジネスを拡張させ、グロウラーのリフィル・サービスを実施する。このような店では通常6~12種類のタップ・ビールを用意しているが、中には30種類以上のタップ・ビールを備えている店もある。カルフォルニア州のグロウラー・ステーション社は、グロウラーに入れられたビールがより長く鮮度を維持するよう炭酸ガスを使用する装置を製造する。同社は、2012年以来、100以上のガソリンスタンドやスーパーに、特許取得済みグロウラー充填システムを納めた。
しかしガソリンスタンド等の小売店に設置されるサーバーからビールが注がれ販売されることについて疑問を呈する一部ビール・メーカーもある。サーバーを樽につなぐ管の汚れやグロウラー内部の不十分な洗浄が、ビールの味を損なう可能性があるからだ。コロラド州とカルフォルニア州のビール・メーカー団体ブリューワーズ・ギルドは、実際に、グロウラーに充填する小売店に反対の意を表明している。ガソリンスタンドがこのビジネスを続行したい理由は、彼らにとり、瓶ビール製品を買うよりも、樽ビールを買う方がはるかに安価であり、グロウラー販売を通じて大きな利益を得られるからだと、ブリューワーズ・ギルドはコメントしている
(USA Today, Mar. 21, 2015)