ボール社、競合のレクサム社を買収

2015年 2月24日

製缶会社ボール社(米国コロラド州)は、先週末、同じく製缶会社レクサム社(英国ロンドン)を、約84億ドルで買収することを発表した。この買収は、世界三大製缶会社のうちの二社が統合することであり、総売上150億ドル、従業員総数22,500人を有し、また、両社を合わせた生産能力は、年間1,200億缶、世界全体の40%の飲料缶生産数を占めることを意味する。ボール社とレクサム社各々の市場シェアは世界全体の1/5を占めるにすぎず、両社を合わせて初めてグローバルな飲料缶供給が可能となる。レクサム社はスカンジナビア、ロシア、インドの市場に強く、ボール社の存在は特に中国市場で大きい。クラウン・ホールディングズ社(米国)が19%の世界シェアで二社に続く。ボール社とレクサム社が統合することにより、米国市場で60%、欧州では70%、ブラジルで74%のシェアを占めることになる。そのため、買収が実現すれば、いくつかの工場の統廃合が実施されることも予測される。
この買収は、レクサム社により2014年業績報告が公表されたのちに、ボール社により同意された。その1週間前にはボール社の2014年売上が前年比1.2%増の85億7,000万ドル、純利益が前年の4億700万ドルから4億7,000万ドルになったことが発表されていた。一方のレクサム社が発表した2014年売上は、同社ヘルスケア事業の売却の影響で前年比3%減の59億2,000万ドルとなったが、飲料缶販売量自体は前年比4%増であった。
アルミのプレミア価格が上昇する中、両社が結びつくことで、設備投資ならびに経費のより効率的な管理能力を有することが可能となる。今後、この買収実現までには、規制当局の合意が必要となる。関係当局が、両社に資産一部の売却を要求した場合に、それらに真っ先に飛びつくのはクラウン・ホールディングズ社であるとも言われている

(The Canmaker, Feb. 19, 2015 / Reuters, Feb. 19, 2015)

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