ワインがビールを凌ぐ、英国
2015年 2月10日
英国では、人気の上でワインがビールを凌いだことを、最近英国各地から募った4,000人を対象にアンケートを実施した調査会社が伝えている。特にアルゼンチン産赤ワインの近年のスーパーでの好調な売上の影響が大きいと言われている。この調査では10人に6人の割合で、飲むアルコール飲料として選ぶのはワインと答えたとの結果が出ている。これは、パブよりも家で夜を過ごす中産階級のカップルが以前よりも増え、週末の友人とのパーティも家で行うことが多くなっている状況を反映している。特定の愛好家だけが楽しむという印象の強かったワインが、大衆的なアルコール飲料になったことを証明する結果ともなった。
一方で、ビール・メーカーやパブ経営者は、このアンケート結果を疑問視している。なぜならば、英国でのビール売上は、昨年、10年ぶりに前年比1.3%上昇したと報告されており、また、税金関連データからも、昨年11月に消費されたビールの量は、ワインよりも10%多かったとの記録があるからだ。さらには、英国では初めて、スーパーでのビール販売量が、パブで売られるビール販売量を上回ったことをある団体は発表している。
いずれにせよ、英国人のアルコール飲料摂取の習慣が変化したことは確かで、2006年以来10,000店以上のパブが廃業に追い込まれている。英国の人々のアルコール飲料摂取量が以前に比べて減っているのと同時に、スパークリング・ワインや赤のグラスワインを家で嗜む傾向が強くなっている。そして特にアルゼンチン産ワインの需要は、年35%増の勢いで人気を増している
(The Telegraph, Jan. 30, 2015)