キューリグ社、強力ブランドとの提携で新製品に期待
2015年 1月 8日
シングルカップ・コーヒー・マシーン供給会社、キューリグ・グリーン・マウンテン社は、今年発売予定の家庭用炭酸飲料製造マシーン「キューリグ・コールド」(弊社業界情報2014年5月13日付に関連記事)で作る炭酸飲料ポッド(カプセル)販売のために、飲料メーカー、ドクター・ペッパー・スナプル・グループと提携した。これで、これまでコーヒー・マシーンとポッドを供給してきたキューリグ社が、米国三大炭酸ソフトドリンク・メーカーのうちの二社、つまり、キューリグ社の株16%を保有するコカ・コーラ社と今回のドクター・ペッパー社の協力を確保し、新製品の拡張に不可欠な基盤を築いたことになる。キューリグ社によれば、これら2社の飲料メーカーから得られる複数のブランドも含めて少なくとも炭酸ソフトドリンク30種類のポッド(カプセル)を提供するとのこと。キューリグ社は、この2社との提携が、家庭用炭酸飲料製造マシーン供給会社として現在業界をリードするソーダ・ストリーム社に対して有利に働くと見る。キューリグ・コールド(社内コードネームはガイザー)は、常温の水にフレーバーを加え炭酸にするシングル・ポッドを使用し、60秒以内に華氏38度に冷やして炭酸飲料を作るもので、同社は5年をかけてこの技術開発に取り組んだ。残る米国第2位のソフトドリンク・メーカー、ペプシコ社は、昨年後半、ソーダ・ストリーム社と限定した飲料試験販売を開始したが、それ以上の計画については発表していない。
コカ・コーラ社とドクター・ペッパー社は、消費者が、炭酸ソフトドリンクに戻るきっかけをキューリグ・コールドが作ることに期待する。軽量なシングル・ポッドは、オンラインで注文し出荷されるのに便利で経済的である。一方で、消費者は、容器を開けて飲むのに3秒とかからない飲料を、飲むのに最低でも45秒待たなくてはならず、この42秒の差が消費者の心理にどう働くかをペプシコ社は問う。欧州では、コーヒー・マシーン市場はすでに飽和状態にあり、成功する可能性は少ないと判断するキューリグ社は、キューリグ・コールドが同社の国際的潜在能力を伸ばすと見ている。コーヒー・マシーンは米国2,000万世帯で使用されているとキューリグ社は推定する。一方、今年9月に発売予定のキューリグ・コールドの推定販売価格よりも低い価格で現在販売されているソーダ・ストリーム社の炭酸飲料製造マシーンは、現時点で、米国世帯の約1%にしか保有されていない。そして、米国の炭酸ソフトドリンク売上は、昨年第3四半期、さらに大きく落ち込んだ
(The Wall Street Journal, Jan. 7, 2015)