ビールは、キューリグやネスプレッソになるだろうか

2014年10月28日

ビールが次に目指すべき開拓分野は、バーでもパブでも、コンビニのクーラーでもない。それは消費者のキッチンだ。なぜなら、ビール・メーカーは、欧米の家庭やオフィスで最近よく目にするようになったキューリグやネスプレッソのような卓上用コーヒー・メーカーの成功に続くことを目指しているからだ。ビール・メーカー、ハイネケン社(オランダ)の「サブ」ドラフト・ビール・ライフスタイル・アプライアンスは、ビール市場の次に来るべき注目される新分野の一つである。ビールと言えば、長年、パブやバーと切り離すことはできないが、最近の禁煙を徹底する動きや、厳しくなる飲酒運転規制は、外での飲酒を遠ざける傾向にある。実際、世界の若年層の3分の1が、居酒屋よりも家でビールを消費することを希望するとの統計結果がある。そして、レストランやパブで購入されるビールの割合は、世界全体で、2009年の35.1%から2013年には32.2%に減少している。そのため、ビール・メーカーの製品開発の向かうところは、今、家での消費を想定した小売店での販売である。家庭でパブを体験するイメージだ。そこで重要になるのがビールの鮮度、ボリューム、そして温度管理である。ハイネケン社はこれらこそが「サブ」が成功するために必要な要素だと見る。ちなみに「サブ」はサブマリン(潜水艦)に似ていることから付けられた名前だ。細身でスタイリッシュなそのデザインは、現在アップル社にその能力を提供する著名なデザイナーによるもので、色のオプションもある。ビールのオプションは、現時点で6種類。2013年後半に発表されて以降、今年初頭にフランスとイタリアで発売され、現在オランダと英国でも販売されている

(just-drinks.com, Octo. 27, 2014)

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