アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社が次に狙うもの
2014年10月14日
過去10年にわたり企業買収(2008年のアンハイザー・ブッシュ社買収も含む)におよそ900億ドルを投じるアンハイザー・ブッシュ・インベヴ(以降、ABI)社のような飲料会社は他に類を見ない。そのABIが次に買収するビール・メーカーとして業界第2位のSAMミラー社の名が憶測として挙がっているが、もしそうしないとABI社が判断した折には、同社が次に狙うのはペプシコ社ではないかとのうわさがここにきて業界でささやかれている。ビール・メーカーにこだわらないというのであれば、ここ数年成長著しいエナジードリンク・メーカー、モンスター・ベヴァレジ社やポッド・コーヒー・メーカーのキューリグ・グリーン・マウンテン社も考えられる。あるアナリストによれば、大きな買収を仕掛け前進することこそがABI社の文化であり、現状の事業だけを運営することで満足することは考えにくいと言う。ABI社が次に何を狙うのかについては、常に憶測の域を出ないが、常に次の標的を探すことだけは確かなようだ。ABI社にとってSABミラーがビール・メーカーを含めた他のどの飲料メーカーよりも魅力的となるのは、ABI社にとっては申し分のない企業規模、そしてABI社にはない、SABミラー社の確立されたアフリカ市場での存在感である。現時点では、買収コストがかかり過ぎる点が、ABI社株主の賛同を得にくくしている要因のひとつかもしれない。
(Bloomberg, Oct. 14, 2014)