米国人ファンを増やすメキシカン・コーク
2014年10月 9日
米国カルフォルニア州シリコンバレーにオフィスを構えるある投資会社では、レトロな雰囲気を出すためにインテリアとして、昔ながらのビンに詰められたメキシコ産コカ・コーラを陳列する。セントルイスのある地ビール・パブのバーテンダーは、後味の良さから、カクテルにレギュラー・コークではなくメキシカン・コークを使ってミックスする。「メキシカン・コークあるいはMexiCoke」と呼ばれる、メキシコで作られ、伝統的なビンに詰められるコカ・コーラは、今注目される新しいファッション・アイテムである。メキシカン・コークのファンによれば、メキシコから逆輸入されるコカ・コーラは、米国コークで見られるようなコーン・シロップではなく混じりけのない甘蔗糖で甘くされており、その砂糖のしっかりとした甘さに加えさらにカフェインで「強化」されているため、特に一晩中起きていたい人達には魅力的な飲料との評判もある。12ozと16.9ozサイズのビンで販売されるメキシカン・コークは、他のソーダと比べ割高であるが、米国人にとっては懐かしいその見た目と、天然成分含有というこの2点の信頼性ゆえに、ファンは購入することに躊躇しない。
1920年代にコカ・コーラ社がメキシコ市場に参入して以来、甘蔗糖を甘味料とするメキシコ・バージョンは、コカ・コーラ社に認可されていない個人経営の仲介業者により米国に輸入されていた。2005年、コカ・コーラ社は正式にメキシコからテキサス州へ輸入を開始し徐々に全米に販売を拡張した。メキシカン・コークは、ヒスパニック系米国人の多く住む地域のスーパーのほとんどで販売されている。コカ・コーラ社は正式な数字は発表していないものの、メキシカン・コークの売上は、ここ2年間で2桁の増加があったとコメントしている
(The New York Times, Oct. 3, 2014)