米国の若者は、メジャー・ビールを飲まない

2014年10月 2日

世界規模のメジャービール・メーカーは、米国の2000年代に成人となったいわゆるミレニアル世代に十分に自社のビールが消費されていないことに悩んでいる。アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社ならびにミラークァーズ社両社ともに、現時点で、前年に比べ今年の米国での販売量は1%減るペースにある。ワインや蒸留酒は順調に売上を伸ばしているのに、である。地ビール・ブランドの数は増え続けるものの、全体としては、バドワイザー、ミラー・ライト、クァーズ・ライトに代表されるメジャーなビールの売上減を克服するほどには十分ではない。米国ミレニアル世代は、自分の父親が飲んでいるビールは選ばないという考えを持つ傾向にあること、また、消費者の中には、ライトなビールは品質に劣り、その対極にあるフルボディの地ビールが高品質だという誤ったイメージを持っている人が少なくないこと等、これらの要素と関連するとコメントする関係者もいる。ミラー・ライトは、敢えてその品質を強調し、1970年代発表当時のオリジナル・デザインを缶に採用している。一方のアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社は、メディアを大いに活用するマーケティング戦略を駆使し、ミレニアル世代の関心を呼び起こすための、例えば、ある1日、ある町をバド・ライト一色にするなどの、独自のキャンペーンを展開している。両社のそのような戦略は、少なくとも消費者の注目を惹いたようだ。今後の米国経済ならびにミレニアル世代失業率の行方と関連して、メジャー・ビール売上状況も良い方向に転換する余地はあると、米国ビール販売会社2,800社以上を代表する団体、National Beer Wholesalers Assocciationはコメントしている

(Crain's Chicago Business, October 1, 2014)

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