大麻の合法化に伴う包装の需要、米国
2014年 6月26日
米国では初めて、2012年コロラド州ならびにワシントン州で、成人(21歳以上)による嗜好目的での大麻(マリファナ)使用が合法化された。これは、包装業界にも経済的機会を提供するものである。今後多く販売されるであろう大麻を煎じた食品・飲料などの製品が包装ならびにそれに関連するビジネスを生むからだ。消費者向け大麻含有製品メーカーは、パウチ、ジャー、ボトル、カートン、ラベル、輸送会社、在庫管理のためのRFIDタグ、グラフィック・デザイン等々を購入している。コロラド州では第1番目の大麻製品小売店が今年1月1日に営業を開始し、ワシントン州でもこの6月に開業する予定だ。規制が厳しい事業カテゴリーである点は、アルコール飲料やタバコと同様ではあるが、これらの業界と異なる点は、大麻は州を超える連邦レベルでは合法でないため、小売についての連邦による規制が存在しない点である。大麻販売を合法化する州で共通する包装に関する規制は、州民の安全確保ならびに包装の内容物明示に焦点があてられる。子供への安全性確保は特に重要であり、「子供の手の届かない所に保管する」などの警告を表示するラベル貼付、若年層にも内容物を見えないようにするための不透明な包装材の使用を義務付ける。コロラド州では、5歳以下の幼児が開けることが極めて困難になるよう包装を設計することを条件としている。大麻を含有する飲料、チョコレート、ミント、入浴剤、マッサージオイルなどを販売するElixirs and Edibles社(コロラド州デンバー)モ、これらの規制に従い、自社の工場にてアルミボトル、フォイルなどを使用して製品を包装している(写真)。さらに、成人の目は惹いても、子供・若年層にはアピールしない製品に見せるために、同社の包装グラフィック・デザインもまた重要な役割を果たしている
(Packaging Digest, April 17, 2014)