新興諸国のビールと缶詰消費量が缶需要をけん引
2014年 6月10日
今は、新興諸国でのビール消費量が、飲料缶需要増の原動力となっている。ビール生産量は、特にブラジル、ベトナムならびに中国で依然として増えており、世界を代表する飲料缶製造会社は、多少のリスクを覚悟しながら、飽和状態の米国市場からこれらの新興諸国へ投資先を移行させている。飲料缶製造会社にとっては、新興諸国市場でこれまで使用されてきた飲料容器を缶に変える絶好のチャンスである。成熟期にある米国市場では、特に炭酸ソフトドリンクとフルーツ缶詰で、米国人の健康志向と食品鮮度へのこだわりから、売上低迷が顕著だ。一方、新興諸国では、都市化に伴い、食缶の需要が高まっている。この場合、例えば中国やインドでは、新鮮な食物を冷蔵するのに十分に大きな冷蔵庫が不足する傾向にあること、さらに、所得増加・生活水準上昇に伴い、利便性を手に入れることが可能になること、これらの要素が、食缶需要を増加させている。しかしながら、世界の主要食缶製造会社は、飲料缶製造会社と同じような勢いでは、新興市場へ参入はしておらず、現時点では、新興市場での高まる食缶需要は、地元のサプライヤーにより対応されていることが多いと、米国の市場調査・分析会社オメガ・リサーチ協会は報告している
(FoodProduction daily.com, June 9, 2014 / CanTech, May 30, 2014)