ヒスパニック系アメリカ人のためのビール

2014年 5月 8日

ビール・メーカー、SABミラー社とモルソン・クァーズ社のジョイントベンチャー、ミラークァーズ社(米国イリノイ州シカゴ)は、今年、特に米国人口の中で最速で増加する移民グループのひとつにアピールする味を持つという新製品、シトラス・フレーバーのビール「クァーズ・ライト・サマー・ブリュー」を先週発表した。クァーズ・ライト・ブランドでは初めてのラインナップ拡大となる。期間限定で販売されるこのビールは、ヒスパニック系アメリカ人(メキシコ、キューバなどのラテンアメリカ出自の人)をターゲットにしている。ビールで勝ち抜くためには、世界様々な国々の移民グループの消費者を味方に持つことだと、同社はコメントする。この新製品は、ミラークァーズ社が米国ヒスパニック市場で最大シェアを確保できなかったことの反省から生まれたものだ。
米国勢調査局によれば、2015年には、ヒスパニック系アメリカ人は米国飲料人口の15%を占めると予想され、2045年までにその数値は25%にまで上がると推定される。調査会社ニールセン社データによれば、20~27歳までのヒスパニック系アメリカ人男性成人は、同条件の一般グループに比べ20%多く飲料を消費する。また、ヒスパニック系アメリカ人成人により消費されるビールのシェアは16.3%で、今後増えると見込まれる大きく貴重な消費者グループである。
ヒスパニック系アメリカ人は、フレーバーのある飲料を好む傾向があるとの調査から、ミラークァーズ社は今回の新製品を開発した。同社がすでに商品化した、フルーツ・フレーバーのRedd's Apple Aleもまた同様のアプローチによるもので、1年間限定で、マイアミ、シカゴ、オーランドなどヒスパニック人口密度の高い都市で販売され、最終的に、米国フレーバー・モルト飲料部門の売上で10%シェアを持つに至った。ミラークァーズ社は、広告戦略においても、多文化を念頭に、この新製品用には、一般用とヒスパニックに的を絞った広告とを制作している

(CNNMoney, May 1, 2014)

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