米国ボトルド・ウォーター、エコボトル開発加速で売上低迷打開を
2014年 2月 4日
米国でのスパークリング・ウォーター売上は好調である一方、非炭酸のボトルド・ウォーター(スティル・ウォーター)売上は低迷が続いている。米国消費者の高まる健康志向により、高糖度炭酸ソフトドリンクに代わる飲料としてスパークリング・ウォーター売上が伸びているのが実情だが、非炭酸ボトルド・ウォーターならびに機能性ウォーターの消費は、プラスチック製ボトルの過剰使用を主な理由として、敬遠される傾向にある。
機能性ウォーターは、ボトルド・ウォーターのカテゴリーでは売上80%以上を占める飲料ではあるものの、昨年8月末までの売上が前年比マイナスとなった各大手メーカーは、環境に優しいボトルを開発することで、この傾向を逆転させようと躍起だ。米国は、一人当たりの年間ボトルド・ウォーター摂取量で世界第11位であることから、メーカーはまだ摂取量増加をのぞめると見る。
2009年、PET原料の30%をサトウキビから得て作るプラントボトルを発表したコカ・コーラ社は、同社ボトルド・ウォーター・ブランド、ダサーニにこのプラントボトルを使用したことで売上を20%伸ばした。同社は、数年以内に、100%植物由来のボトルを発表する計画だ。非炭酸ボトルド・ウォーター・カテゴリーでコカ・コーラ社の最大の競合相手であり、最大シェア1/4を占めるリーダー、ネスレー・ウォーターズ社は、昨年、原料の50%をリサイクル済みPET(rPET)で作られる「リボーン(reBorn)」ウォーター・ボトルを発表、同社ブランドのアローヘッドに採用している。100%のrPET材から成るボトルを生産するためのリサイクル済みプラスチックは、多くのPETボトルは捨てられているため、まだ充分にはない状況だ。
ペプシコ社は2011年、植物由来で完全に作られる100%再生ボトルを発表し、現在試験販売を待つ段階にある。同社フリトレイ・スナック部門から廃棄されるボテトやオレンジの皮などの農業副産物を活用することも検討中だ。
他のどの飲料と比較しても、非炭酸ボトルド・ウォーターの利鞘は低いと言われる。ボトル製造技術開発が求められるこのカテゴリーでは、今後も、研究・開発費用は高まるばかりだ。リサイクル済みボトルの利用がより経済的に可能なるに従い、大手飲料メーカーは、環境に優しいボトル開発を加速させることが可能となる
(Forbes, Jan. 30, 2014)