地ビールの見た目
2013年12月17日
10年ほど前、米国のスーパーマーケットのビール売場は消費者を惹きつける様な場所ではなかった。正確にはわからないがおそらく2000年代中ごろになり、このビール売場に変化が見え始めた。今日、スーパーのビール売場は、地元で醸造される地ビールから英国を始めとする世界の輸入ビールまで多種多様な製品が華やかに所狭しと並ぶ。ビールの味に加えて、ビールの売場での見た目も重要な要素となる。ビール、特に地ビールのここ数年にわたる成長は、不景気のために頻繁に外出しなくなった特に若年層の消費者が、家で飲むのに高価なものは買えないが、高品質なものを求める傾向が強くなったことに関連がある。さらに最近では、大都市のバーやパブが、職人が手がける特別なエールをメニューに加えるようになったことも、地ビールの成長を加速させた。地ビール人気は米国ならびに英国でまず高まったが、今ではロシアそして北欧諸国産の地ビールへの注目が急激に高まっている。既に確立されたブランドを守るメジャー・ビール・メーカーに比べ、地ビール・ブランドは創造性を維持し、新しいものに挑戦するにもリスクが少ないことが、地ビール成長の重要な鍵を握る。そしてそれは容器デザインで特に当てはまる。地ビールは、その個性を思い切り容器上で表現する。地ビール・メーカーの多くは容器形状を変えるというような大胆な変更をするには予算が限られているが、ビンの色、エンボス加工そしてラベルで差別化を図るのが、コスト効率も高く有効としている。特にバーやパブでは、最近、ビールをビンで売る傾向が強くなっているため、バー・カウンターから消費者が見るビンのラベル・デザインは非常に重要となる。味のみならず容器デザインでもチャレンジャーでいることが、地ビール・メーカーの最大の強みである
(PackagingNews, Nov.7, 2013)