ペプシコ社、インドへ50億ドル投資

2013年11月14日

飲料・スナック・メーカー、ペプシコ社は、2020年までにインド市場へ向けて、地元の事業提携会社の協力を得て、製造能力増強ならびに新製品投入の形で、およそ52億ドルを投資する。同社とその提携先は、配送インフラ整備などでインド農村地域に特に投資を集中させる。この発表から3ヵ月前には、同社のライバル、コカ・コーラ社が今後8年にわたるインドへの50億ドル投資計画が順調に進んでいることを発表したばかりだ。昨年度のコカ・コーラ社総収入のおよそ半分は、米国を除く海外市場から稼ぎ出されている。インドの炭酸ソフトドリンク市場におけるコカ・コーラ社のシェアは、2007年度の57%から昨年60.9%に増加した一方、ペプシコ社のシェアは、40.1%から36.4%に減少した。いまだ同国で低いソフトドリンク消費量が今後劇的に伸びることを両社は期待する。米国では、炭酸ソフトドリンク売上は、ここ数年の間下降し、10年前には米国飲料市場で60%を占めたシェアは、現在では、約40%にまで縮小している。ダイエット炭酸飲料ですら売上は大きく落ちている。この自国での売上低下を穴埋めするためにインドやブラジルといった新興諸国に投資を増やしているのが両社に共通する戦略である。しかしながら、両社が直面する問題はそれだけではない。巨大飲料メーカーにかつてあったオーラが、今失われつつある。ブランド価値を評価するインターブランド社(英国)による、世界のブランド価値をランク付けするベスト・グローバル・ブランドでは、これまで13年間続けてトップであったコカ・コーラ社が、今年、第3位に落ちた(ペプシコ社は第22位)。ちなみに第1位はアップル社である。ある企業が作り出す製品や価値観が、消費者の生活を変えることはめずらしくない。明らかに、コカ・コーラ社の1位から3位への転落は、我々の生活が彼らの製品によりもはや影響されることはなくなりつつあることを意味している。炭酸ソフトドリンクの校内販売を禁止する学校に通う今の若者達には、かつてはアメリカ・ポップカルチャーの一部を成していたコーラ飲料は、充分に魅力的ではないようだ

(Bloomberg, Nov. 12, 2013 / LiveMint & The Wall Street Journal, Nov. 14, 2013)

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