米国、炭酸ソフトドリンクのみならず果汁飲料も需要減か
2013年10月22日
米国人の飲料消費傾向は、炭酸ソフトドリンクから、より身体に良いと言われる飲料へと徐々に変わりつつあることを各方面からのデータは示しているが、果汁飲料の米国人一人当たりの年間消費量もまた2007年の39.9リットルから2012年には35.5リットルに減少したことについては、炭酸ソフトドリンクに代わる飲料を模索している飲料メーカーにとっては意外だったかもしれない。果汁飲料は、2013年に入り、世界最大の果汁飲料メーカーであるコカ・コーラ社にとっては明るいニュースを提供しているからだ。北米での今年7月~9月の果汁飲料販売量は、前年同期比4%増で、それには急伸中の同社ブランド、シンプリーの7%増も含まれる。ナンバー2のペプシコ社もまた、同社新製品トロピカーナ・ファームスタンドの果汁/野菜飲料が好調と言われる。しかしながら、今回これを報告した市場調査会社ユーロモニター社によれば、より長期的且つ広範囲で見ると、大手メーカーの一期間のこのような果汁飲料売上増が今後どれほど続くのかは明らかではないとする。2012年の米国小売店での果汁飲料売上は、2007年から7.2%減少し、特に米国人に最も人気の高いオレンジジュースの売上は、現在、過去15年の間で最も低い状態だ。果汁飲料の高糖度が最近になり指摘されるようになり、それまでの健康的イメージを崩したとも言われる。ペプシコ社、コカ・コーラ社ともに、今、RTDティーなど他のソフトドリンクにも力をいれており、2018年までには、飲料市場における果汁飲料のシェアは縮小するとある調査会社は予想する。ただ、高価格のプレミアム果汁飲料の売上が増えていることは興味深い。ネイキッド・ジュース(ペプシコ社ブランド)、Odwalla(コカ・コーラ社ブランド)、ボルトハウス・ファームズ(キャンベル社ブランド)の果汁飲料売上は増加の傾向を見せている。米国人は、飲む果汁飲料の量を減らす一方で、そのためにやや高めの料金を払う用意はあるようだと、ユーロモニター社は報告している
(BloombergBusinessweek, Oct. 17, 2013)