米国コンビニエンス・ストアでの飲料動向

2013年 9月19日

米国では、コンビニエンス・ストア(以降、コンビニ)で買物をする消費者の約19%が、コンビニの提供するファウンテン・ディスペンサーによる飲料の豊富さを好み、その飲料購入を理由に立ち寄ると言う。タバコ、ビールそしてノンアルコール飲料が常にコンビニで最も売れる製品であるが、最近では、ディスペンサー飲料、中でもホットコーヒーの売上増がめざましく、昨年は、米国コンビニでの飲料売上全体の13%を占めるに至った。米国人の朝の習慣の重要性を考慮し、コンビニは、今、スターバックス、マクドナルド、ダンキンドーナツなどコーヒー提供でも知られるフードサービス店と本格的に競い合う態勢にある。コンビニにおける飲料に関わるもうひとつの特長は、新製品を試すのにおそらくどこよりも最適な場所とメーカーが見なしていることだ。スーパーなど他の場所では製品を複数にまとめたパックやケース単位で、ある程度の量の購入が求められるのに対し、コンビニでは単体で気軽に購入できるからだ。それ故、飲料メーカーは、コンビニを新製品デビューの最適な場所と見る。エナジードリンク・メーカー、レッドブルUSA社が、昨年末、新製品Editionsをまずセブンイレブン店でのみ販売開始した例がある。
米国消費者の2/3以上がより健康な食生活を目指して食品を購入すると言われる現在、消費者のそのようなニーズに応える製品の取り揃え、コンビニが重要視するミレニアル世代をリピーターにするための手頃な価格設定、消費者自身によりコーヒー豆が選べるなどコンビニ独自の飲料提供等、コンビニ自身の働きかけで、今後飲料の更なる売上増は大いに期待される

(Beverage Industry, Sept. 10, 2013)

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