ワイン容器に関する報告
2013年 9月17日
ワイン業界で、他の容器と比較し独占的なシェアを占めてきたビンは、最近、その他の容器の技術改良や消費者の習慣・意識の変化により、徐々にではあるがそのシェアを脅かされつつある。世界で2012年ビンで販売されたワインの50%弱は西欧市場の需要によるもので、中でもドイツ、フランスそしてイタリアの三大ワイン原産国による需要が依然として高い。と同時に西欧市場は、ワイン用容器において、消費の場所ならびに消費者のニーズに応じて、多種多様をきわめる市場でもある。缶は、流行に敏感な若年層で人気を高めつつある。ブリック・カートンは、価格に敏感な消費者の間で、特にイタリアで好まれている一方、形状カートンは、屋外消費用に、英国消費者に人気がある。しかし2017年までの近い将来に目を向けた場合、ビンの最も強力なライバルとなりえるのは、バッグ・イン・ボックス(BIB)と見られる。ビンと比較し、経済性、軽さならびに利便性を提供するBIBは、米国市場に好まれ、米国は現在最大の市場である。その軽量性は、小売店にコスト軽減を促し、フランスなどの、日常的に多くの量のワインをたしなむ消費者に低料金での提供を可能にする。伝統的なワイン国フランスが、米国に次いでBIBの最大市場である点は興味深い。反対に、食前酒としてワインを飲む習慣のあるドイツでは、ビンを好む傾向にある。欧州市場以外では、ビンの将来は、ワインが中産階級に浸透し始めたばかりの中国において、他の容器との競争がまだ存在しない点で、非常に明るい。また、ワインへの缶の使用は、世界全体で大きな伸びを見せており、缶の持つ軽量性、利便性、輸送のし易さ、シングルサーブ、屋外消費のし易さなどの利点により、ニッチな存在でありながらも、特に若年層で引き続き需要が高まると見られる。世界で缶にて販売されるワインの80%が、米国、ドイツそして英国からの需要である。英国では、レクサム社に代表される製缶会社による技術向上がこの成長をさらに促すと見られる
(The Drinks Report, Sept. 12, 2013)