米国大手ビール・メーカー、缶の新機能開発続く
2013年 6月11日
ビール・メーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社は、同社ブランド、バドライト12ozのために開発された「ベント(vented / 空気孔付)缶」(写真・左)を、米国ケンタッキー州ルイスヴィルでの試験販売を今夏経たのち、今年後半には全国展開させる。ベント缶は、缶を開けたあとタブを反対方向に押し返すことにより、より多くの空気をビールに含ませることが可能となり、注ぎをなめらかにするだけでなく、フレーバーも高める。その扱い方の簡単さがこの缶の特長と同社は言う。この新しい缶の発表は、ミラークァーズ社が同様の働きをする「エア・ベント(air-vented)缶」(写真・右)を同社の人気ブランド、クァーズ・ライト用に今夏キャンペーンの一環として発表した1週間後に行われた。
米国ではビール用の容器として缶の人気が最近高まっている。昨年、ビール市場での缶採用は53%を占めた(2006年度では48%)。地ビールに至っては、2008年度、缶を採用する地ビール・メーカーは50社にも満たなかったが、2012年度にはその数字は262社に上昇した。また、地ビール・メーカーに比べ大手ビール・メーカーは、製品そのものに手を加えるよりも、今回のベント缶のように、包装で開発を試みる傾向が強い。それは、すでに全国的に確立されたバドライトのようなブランドに、消費者の関心をこれ以上惹き付けるには、包装以外では限界があるからだ。米国では、大手ビール・メーカー、地ビール・メーカーいずれも、容器として缶を選択する傾向が今後しばらくは続くと予想されている
(just-drinks.com, May 29 & June 7, 2013 / CNBC.com, June 6, 2013)