茶飲料人気が上昇、米国
2013年 5月28日
米国での茶飲料売上は、レストラン、小売店ともに上昇しており、2007年度比32%近く増加していると言われる(弊社業界情報2011年12月8日付に関連記事)。茶を好んで飲む消費者層は、高齢期に差し掛かる団塊の世代から、レッドブルに親しむ若年層までと幅広く、また、そもそも茶を飲むのが習慣であることが多いアジア人層は、米国で今後最も速い速度で増える人種だ。米国でのエスニック料理への関心度も高まり、日本の抹茶、インドのダージリン・ティー、アフリカのルイボス・ティーの認知度は確実に高まっている。ハリウッド・スターが集まる著名なレストランや、米国で高視聴率を上げる英国を舞台とするテレビドラマでのティーやアフタヌーン・ティーの紹介もまた、茶飲料人気を押し上げる。米国を代表する飲料メーカー、コカ・コーラ社ならびにペプシコ社は、すでにブリスク、オーネスト・ティー、フューズといったブランドで茶飲料を提供する。確実に数を増す茶を煎じた飲料は、ソフトドリンク、ウォーター、エナジードリンクだけではない。アルコール飲料でも、ティー・フレーバーのアルコール飲料Twisted Teaブランドや、アイス・ティー+レモネード+アルコールのミックス飲料、アーノルド・パーマー・ハードが広く知られるようになった。米国を代表するコーヒー飲料メーカー、スターバックス社ですら、昨年、Tazoティーの第1号店を開店しティー事業を拡張すると同時に、ショッピング・モール展開を基本とする茶・茶グッズ販売店Teavana社を買収、現在の300店舗から1,000店舗へ増やす計画を打ち出した。米国の茶飲料業界は、収入規模からすると、コーヒー業界のわずか10分の1ではある。ウォーター、ソフトドリンク、ミルク、果汁飲料にも追いついていない。しかし茶飲料業界が現在活気を見せているのは、過去10年間、米国人により消費される茶飲料の量が22.5%増えている一方で、コーヒーは、同期比1.9%減少しているからだ。コーヒー業界は、特に最近、サプライチェーン崩壊や、過密状態の市場に悩まされている。また、茶飲料が提供するその種類の豊富さならびに健康に良いとされる要素は、今後ますます米国人には非常に大きな魅力となることは間違いない
(Los Angeles Times, May 26, 2013)