輸出向け飲料缶需要が増加、欧州にて

2013年 5月16日

西欧でのここ5年に及ぶ経済不況は、ビール/ソフトドリンク・メーカーの業績に影響をもたらしているが、飲料缶に限ると必ずしもそうとは言えない。2012年、欧州では前年比3.7%増の590億缶が充填された。増加率自体は過去の数値に比べて大きくないものの、欧州での飲料事業の現状からすると、注目に値する。この飲料缶市場の好調は、輸出用飲料缶需要の増加と東欧市場の復活にある。西欧で前年度充填された飲料缶増加分約10億缶のうち、およそ4億3,000万缶が、オーストリアで充填された缶であり、その大半が輸出向けのものであったと報告されている。オーストリアで昨年充填された計62億缶のほとんどが、エナジードリンク「レッドブル」に供給するレクサム社(英国)工場で製造された缶だ。ベルギーならびにオランダも昨年、輸出用飲料缶需要増により充填する飲料缶数を伸ばした。その他の欧州諸国の中では、フランス、イタリア、トルコ、ドイツ、北欧諸国が、特に缶へのビール充填で2012年度著しい増加を見せた(なお、ドイツのみソフトドリンク充填で増加)。さらに東欧では、ハンガリー、ルーマニア、チェコならびにバルカン諸国にて飲料缶需要が戻ってきている。これは、ポーランドでのソフトドリンク充填の東欧内他諸国への流出が一部要因とも見られている

(The Canmaker , May 2013 Issue)

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