黒色の容器がトレンド、米国
2013年 3月 5日
最近、米国市場では、包装への黒の使用が爆発的に多くなっている。アイスクリーム、ビール、スープ、ルーム・フレッシュナー、洗剤、シャンプーに至るまで様々な製品がその容器に黒色を採用する。ビール・メーカー、アンハイザー・ブッシュ社は、同社ブランド、ベックス・サファイア用ビンに、同社としては初めてとなる黒ビンと黒ラベルを採用。これに至るまでに、同社は、売場シミュレーションと目の動きを追跡する技術を駆使し、消費者が他社製品と比較し同社製品にいかに頻繁に目を向けるかを観察するなどの多くの試験を重ねた。6本入りパックのホールダーには金色のビールの入ったグラスを描くことにより、ビールそのものは黒ではないことを示す工夫も加えた。黒色は、食品を含めた製品用包装の色としては否定的なイメージが強いということで、タブーとされてきた。これを変えたのが、まず1980年代の好況時だった。多くの企業が高級感を出すために黒を使った。そして黒が再び注目され始めたのが2010年からだという。この黒色の人気は、依然として続く景気低迷に対する反応だとも言われている。財布の紐を締める一方で、出来る限り高品質のものを買いたいという消費者の心情の表れだと、あるアナリストはコメントしている
(The Wall Street Journal, Feb. 28, 2013)