チェコ、水をビールよりも安く…の法案に国民反発
2013年 2月 5日
チェコ共和国のレストランや居酒屋の多くが、ビール一杯分を水よりも安い値段で提供している。米国や日本のレストランのように、注文前に無料の水が出されることはチェコではまれで、むしろ注文する前にまずビール一杯が出されることが多い。チェコ政府は、厚生省を通じ、この状況を変えようとしている。現在同省が施行を検討しているのは、各レストランやパブで、ビールよりも料金の安い同量のノン・アルコール飲料を、少なくとも1種類はメニューに含めることを義務付けるもの。これは特に18歳になると法的に飲酒が可能になる10代に向けたものだと言う。しかしこのような政府の動きに、チェコ国民の多くは反発しており、簡単には実施できないのは明らかだ。失業者も多いこの厳しい時期に、政府が取り組むべきもっと重要な問題が他にあるとの指摘もある。チェコでは、少なくとも1,000年もの間、ビールが主要飲料であった。そしてそれが今に続く。チェコに育つホップは香り高く苦味があることで知れている。チェコ人は、一人当たり年間平均37ガロンのビールを飲む。これは世界最大の消費量であり、米国人の2倍以上の消費量である。さらに、チェコは、欧州内では、13~15歳の子供によるアルコール消費率が最も高いというデータもある。チェコ政府は、子供達の飲酒・喫煙を防止するためにも、この規制は必要だとする一方で、まずは、大人が、ビールを含むアルコール飲料に対する考え方を変えることが必要だとコメントする
(The Wall Street Journal, Jan. 24, 2013)