ソフトドリンクと新興諸国
2012年 9月25日
長年にわたり、ソフトドリンク業界の頂点を争うライバル、コカ・コーラ社とペプシコ社。これまでの主戦地である先進諸国、主に欧州と北米では、近年需要が滞り、現在、戦いの地は新興諸国に移りつつある。今年7月、コカ・コーラ社は、2020年までにインドへ50億ドルの投資計画を発表、また、昨年には今後3年にわたる中国への40億ドル投入を発表している。一方のペプシコ社は、中国には3年間で25億ドルを投じており、同様にインドへもすでに多くを投資している。飲料業界のみならずビジネス全般は、新興諸国に向かっているが、この業界が他の業界と違うのは、その地域における巨大とも言える潜在力だ。米国人は、一人当たり年間平均8オンス・サイズのコーラを400杯以上飲むが、中国人は同40杯以下、インド人は同10杯との調査結果がある。今後、アジア地域の人口は全体的に増え、各家庭の所得が改善され、より多くの人が有名ブランドを求める傾向になることは容易に予想される。さらに、飲料消費パターンは、その他の食品カテゴリーよりも世界的に一様である。食事の習慣はその地域の文化や宗教に密接に関わり影響されるが、飲料については、世界中、人々は、そのような習慣に関わりなく、同じ様な飲料を飲む傾向にある。ただし、新興諸国では、投資のリターンには長い時間が必要だと言われる。アジアでは、地元ブランドがすでに特定地域を長年独占する場合が多く見られる。コカ・コーラ社・ペプシコ社は、豊かな財力・戦略を駆使し、買収等を通じ、徐々に競争力を高めるであろう。時間の問題だとあるアナリストは予測する
(CanadianBusiness, Sept. 19, 2012)