ハイネケン社、アジア市場拡大に向かい大きな前進

2012年 8月 6日

ハイネケン社(オランダ)と1931年以来長期にわたるジョイント・ベンチャー(現在のアジア・パシフィック・ブリューワリーズ(APB)社)のパートナー関係を維持してきた、ソフトドリンク生産・販売ならびに不動産事業等を手がけるFraser&Neave(F&N)社(シンガポール)は、同社が保有するAPB社株を、ハイネケン社へ売却することに、先週金曜日、同意した。これにより、ハイネケン社は、APB社の完全な経営権を握ることになる。ハイネケン社が買収を提示した先月直後に見せたタイ・ベヴァレジ社の同様のF&N社買収意図が、ハイネケン社の動きを早めたと見られる。APB社を傘下に収めることにより、ハイネケン社は、アジアで人気の高いビール「タイガー」を始めとするビール・ブランドのみならず、APB社がシンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ、カンボジア等14ヵ国に持つ20以上を数える醸造工場の完全なる所有権も得る。欧米市場の停滞とは逆に、急速に成長を続けるアジア市場において、この所有権確保はハイネケン社にとり極めて重要であった。ハイネケン社の利益全体でアジア市場が占める割合を、APB社取得により、現行の6%から15%へ引き上げることが可能と予測される。
一方、コカ・コーラ社は、F&N社の所有するもうひとつの事業、つまり同社のソフトドリンク、果汁飲料、ミネラルウォーター、乳製品を含む飲料事業に多大なる関心を寄せていると言われる。F&N社が飲料事業を切り離すような場合には、しかし、F&N社の大株主である、同業者のタイ・ベヴェレジ社ならびにキリン・ホールディングズ社からの反発が当然予想される

(Reuters, August 3, 2012 / just-drinks.com, August 3, 2012)

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