中国、炭酸ソフトドリンク事情

2012年 3月27日

中国は、最近、先進諸国がすでにそうであるように、健康志向が高まりつつあり、炭酸ソフトドリンクについても低カロリーや無添加を求める傾向が見られ始めている。炭酸ソフトドリンクを好んで飲む中国の消費者のうち67%が、天然、ダイエットあるいは低カロリー製品を望んでいるとの調査結果あるにも関らず、飲料メーカー側がその変化に十分に迅速に応えていないと、消費者動向調査会社ミンテル社の最新報告書は伝える。実際、2011年に中国で発売された無添加の炭酸ソフトドリンク製品は、その年に新発売された炭酸ソフトドリンク全体のわずか1.8%しか占めておらず、2006年度の同様の新製品のシェア1.5%からわずかしか増加していない。これは、メーカーが消費者の健康志向をすでに把握している欧米市場と比べると対照的で、米国では、2011年、新発売された炭酸ソフトドリンクのうち無添加あるいはそれと同類の新製品は同カテゴリー全体の16%(2006年では12.5%)、欧州では37%(2006年14%)も占めている。一方で、中国人年間一人当たりの炭酸ソフトドリンク消費量は、2011年度で10.34リットルと、米国人の168リットル、英国人の57リットルに比べ非常に低い。(中国では、ミネラルウォーター、果汁飲料の消費量がより高い) 炭酸ソフトドリンクを消費する中国人の半分は仕事中に消費するとの統計があり、今後、小さめの内容量のシングル・サーブ、小型容器による天然・無添加炭酸ソフトドリンクの需要が高まる可能性があり、ここに、飲料メーカーがまだ入り込む余地があるのかもしれないと、ミンテル社はコメントしている

(MarketWatch, Mar.26, 2012)

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