メキシコ、世界最大のボトルド・ウォーター市場
2012年 2月 2日
メキシコに住む多くの人々が、飲料水を、水道水からではなく、ボトルド・ウォーターから取る。この状況を、世界最大のボトルド・ウォーター・メーカー、コカ・コーラ社、ダノン社、ペプシコ社が注目しないはずはなく、メキシコは、今やウォーター市場を独占しようとする巨大メーカーらの熱い視線集まる場となっている。ある調査は、メキシコのボトルド・ウォーター市場は、現時点の90億ドルから2015年までには130億ドル規模になると予測する。メキシコ人は、一人当たり年間平均243リットルを消費するとのデータがあり、これは、イタリア人の186リットル、ドイツ人の140リットルそして米国人の110リットルを上回る。各メーカーの販促の焦点は、従来の家族向け10~20リットル・サイズのジャグ容器から、ミリリットル当たりの単価が高い「シングル・サーブ」1~1.5リットル・サイズに変わりつつある。現在、メキシコの市場に占める各社のシェアは、ダノン社26.5%、コカ・コーラ社23.5%、ペプシコ社13%。2000年初頭、同市場を独占していたのはペプシコ社であったが、コカ・コーラ社が地元の小さなメーカーを複数買収したこと、また、ダノン社がメキシコでの主力商品ボナフォントの効果的なキャンペーンを通じ地元ファンを増やしたこと等が功を奏し、シェアは現在のように逆転した。ペプシコ社は近年メキシコでソフトドリンク事業への投資に傾倒するが、同国は、米国と同様、肥満児対策(メキシコは、米国に次ぐ世界第2位の肥満人口を抱える)の一環で、学校施設での炭酸飲料販売禁止を最近になり実施し、それが与える売上への影響がいずれ出てくると見られる。そのため、メキシコのボトルド・ウォーター市場は、「シエル」ブランドを掲げシェア1位を目指し猛追するコカ・コーラ社と、「ボナフォント」ブランド拡張を図るダノン社との一騎打ちになると、業界筋は予想する
(Forbes, Jan. 31, 2012)